INTERVIEW

ふれあいから生まれる
感謝

看護師

堀口 睦美

がん末期の利用者様。急な状態悪化がみられ、辛そうな様子で「私が私じゃなくなっちゃうのは体じゃなくて心かな。」と目を潤ませながら仰っていました。身体的な苦痛が増す中で、自分らしくあるために気持ちでは絶対負けたくないと思っているんだと感じ、私も涙が出てきました。互いの手を強く握り合ったのを覚えています

翌日ご逝去され、娘さんと一緒にエンゼルケアを行い、昨日の話をしました。それまで落ち着いていた娘さんがじんわりと涙を浮かべ、「お母さんらしい。最期までちゃんと母だったんですね。」と仰っていました。

自分らしくいたいと思う強さ、親子の愛情の深さを感じ、それを共有させていただけたことへの感謝が溢れました。

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現職に就いた理由・動機は?

大学生の時に経験した、東日本大震災の支援活動を通して『家で過ごすことのもつ力』について考えるようになりました。避難所からご自宅に戻ってきた方が仰っていた、「どんなことがあっても、住み慣れた場所で気の置けない人と過ごせることがなによりも有り難い。」という言葉に感銘を受けたことがきっかけでした。その後在宅看護学の実習を経て、その人が望む生活を送れるように支援したい、訪問看護がやりたいと強く思うようになり、卒後3年間大学病院で勤務したのち、たまふれあい訪問看護ステーションに入職しました。

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具体的な仕事内容は?

1日4~5件お宅へ訪問し、疾患や障害に関わる観察やケア、療養上のお世話などを行います。また、家族への介護支援や相談、関係多職種との連携なども行っています。週に1回、30~60分などと、私たちが直接みることのできる時間は僅かですが、限られた時間の中で、訪問と訪問の間をどう過ごしていたか、どう過ごせるか、線で結んでアセスメントし、必要な支援を行っていきます。そのため、小さな変化でも察知しようとアンテナを張っておくことを意識しています。また、利用者様と医療者である前に、人と人との関わりであると考えているので、私たちを安心して受け入れていただけるよう、丁寧に誠意をもって接することを大切にしています。

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在宅医療への思いは?

学生時代から在宅医療に携わりたいと思いながらも、病棟勤務を経てから訪問看護を始めたことで、より一層、在宅療養は利用者様やご家族様の思いの上に成り立っていることを感じるようになりました。在宅医療は利用者様の生活の場にお邪魔するので、さまざまな人生がみえてきます。ご自宅にあるものを見たり、いろいろなお話を聴いたりする中で、こんな人生を歩んでこられたんだなあと感じられることが楽しいです。そんなこの人だからこれを望んでいるんだと考えると、その望みを叶えられるように支援したいと思いますし、利用者様方の生活の一部分、大切な人生の一部分に関わらせていただける在宅はとても面白いと思っています。

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訪問時、判断に困ったときは?

判断に困ることがあった時には、一人で答えを出さないようにしています。その場で直ぐに判断しなければいけない場合には、管理者に電話で相談しますし、時間的余裕がある場合には、事務所に戻ってから他のスタッフへ相談しています。安全で確実なケア、間違いのない情報を提供できるよう、判断に困ることやわからないことがあった時には自分ひとりで解決しようとせず、スタッフ皆で考えます。一人で訪問することへの怖さはありますが、何かあったら外からでも相談できる環境にあるので、安心感をもって訪問に出ることができています。

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MESSAGE

新入社員へのメッセージ

訪問看護を始めて、とても看護師らしい仕事ができていると感じています。手で触れ、目でみて、じっくりと話を聴くこと、利用者様が安心して生活することができるためには何が必要か考えること、思いを共有しながら、わかってもらえていると感じてもらえるように丁寧に接すること。とても難しいことだと感じますが、その難しさが面白さであり、自分自身の人としての成長につながるのではないかと思っています。スタッフ皆でともに考え、悩み、様々な感情を共有することで、より信頼していただけるステーションへと成長していきたいと思います。

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