現職に就いた理由・動機は?
介護職に就いた原点は、家族の病気でした。もう30年以上も前になりますが、父が進行性核上麻痺という神経難病になった時です。当時は介護保険もなく、体が動かなくなった父を自宅で看るのは大変な時代でした。そんな経験を経て、介護職に就き、現在はケアマネジャーとして「介護の枠」に留まらず、幅広くご利用者様を支えるお手伝いをしています。
INTERVIEW
ケアマネジャー
乙黒 啓子
ケアマネジャーの職について11年が過ぎました。様々な体験をしてきた中での「喜び」と「発見」を頭の中で思い巡らせました。
大変なことも多々ありましたが、実にたくさんの方々との出会いがあり心がふれあう経験ができたことが、私にとっての大きな喜びです。
私は病気を治すことはできませんが、たくさんの利用者様の気持ちに寄り添うことができてきたなーと振り返った時、私はこの仕事が心から好きなんだという「発見」がありました。
介護職に就いた原点は、家族の病気でした。もう30年以上も前になりますが、父が進行性核上麻痺という神経難病になった時です。当時は介護保険もなく、体が動かなくなった父を自宅で看るのは大変な時代でした。そんな経験を経て、介護職に就き、現在はケアマネジャーとして「介護の枠」に留まらず、幅広くご利用者様を支えるお手伝いをしています。
仕事の大きな流れとしては、ご利用者様の現状把握→課題を分析→ケアプランの作成→実施→モニタリングを行なっていきます。具体的には、利用者様やそのご家族からご相談を受け、「何に困っていて、どうしていきたいのか」ヒアリングをしてご意向を伺い、その上でどのような方法があるのかをご提案します。サービス事業所のスタッフとも、何が最善のプランになるかをチームとして考えます。影となり日向となり、常に扇の要となるのがケアマネジャーの仕事です。
「ケアマネジャーは、医者の次に大きなお金を動かす仕事です」と研修で言われたことがあります。月に50人の方のプランで動くサービスの金額を年単位で考えると、驚くほどの公費を動かしていることに、責任とやりがいを感じます。また、ケアチームとしてスタッフ間で方向性を共有でき、皆で進むベクトルが一致し、利用者様が望む生活を実現できた時には、充実感や喜びを実感します。
時代と共に医療の進歩は著しく、できることは増えた反面、昨今では自然な形を選ぶことも提唱されるようにもなりました。その上で、訪問診療は必要不可欠なことだと思います。ケアマネジャーとして、医療と介護をご提供できるということは、地域社会にとって、重要な拠点になると考えています。