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研修医時代に先輩から聞いた話
当時は癌の患者さんにはほとんど病名を告知しない時代でした。術後に抗癌剤の治療をする時でも、「体質改善の薬」とか「潰瘍の再発予防の薬」などといって行っていました。
当時、注射の抗癌剤で鮮やかな紫色したものがあり、よく使われていました。
一方で、研修医は先輩医師に言われるがままに、点滴したり注射したりと病棟を走り回る兵隊で、患者さんに病状の説明をすることなどありません。
癌で抗癌剤治療を受け始めたAさん。そこへ例の紫色の注射を射ちに来た研修医B医師。
B医師「Aさん、それじゃあ注射しますね」
Aさん「B先生、それ何の注射ですか?」
B医師 「ええっ」
しばし、紫色の薬が入った注射器を見つめたあと
「これ・・・ グ、グレープジュース!」