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大学病院時代に聞いた話
いま病院の中で医師が使う専門用語は英語がほとんどですが、かつてはドイツ語がよく使われてました。
ドイツ語では、
胃のことを Magen(マーゲン)
潰瘍のことを Geschwür(ゲシュール)
癌のことを Krebs(クレプス)
呼びます。
ですので、胃潰瘍は Magen Geschwür で 略して、MG、胃癌は Magen Krebs で略して MKと呼んでいました。
当時私のいた大学病院では、臓器別に病室が別れていました。また、週に一度主任教授回診というのがあり、教授がひとりひとりの患者の顔を見て回り、若手医師が患者の病状を説明していきます。
胃の疾患の人が入っていた4人部屋でのこと
若手医師「Aさんは MKです」
若手医師「BさんもMKです」
若手医師「CさんもMKです」
若手医師「DさんはMGです」
回診後・・・・
Aさん「MKとかMGというのはどうやら病名らしいな。俺達みんな胃の病気って言われているから、Mが胃の意味だな」
Bさん「ということは、Kは潰瘍のKで、GはがんのGじゃないか」
Cさん「なるほど。そういえば俺は潰瘍って言われているよ」
これを聞いたDさんは、
「そうか・・・俺、癌なんだ・・」と落ち込んだそうです・・・・