INTERVIEW

ふれあいから生まれる
自己覚知

相談員

藤田 杏

「先生、私はまだ大丈夫かな」「大丈夫ですよ」この患者様と医師の会話の数秒後、ご家族様が物陰で静かに泣き崩れました。これは余命数日でご自宅に戻られた方の診療での出来事です。

この場面を目の当たりにした時、言葉にしがたい感情が怒涛のように押し寄せてきたのを覚えています。この体験から、自分自身が相談員として、また「ひと」として、何をどのように感じて、どのような価値観を持って生きているのかを非常に丁寧に考えるようになりました。

日々、一つとして同じケースはない中で、専門職として適切な対応ができていたかを振り返り、先輩や多職種のスタッフにヒントをもらいながら患者様・ご家族様、そして自分自身と向き合っています。

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現職に就いた理由・動機は?

「最適で且つ最も近い距離感で患者様とそのご家族と関わっていきながら、一人一人の多種多様な最期を見据えた支援をしたい」という私の思いと、たまふれあいグループの「病気にのみ囚われず『ひと』として接しながら、ターミナルライフのプロセスを重要視する」という理念が合致したからです。大学四年生の秋「看取り」に興味があり、医療福祉の業界で活躍したいと考えていた私は、二次救急の病院で実習の真っ最中でした。その中で、初めて訪問診療に同行する機会をいただき、患者様のご自宅という「完全なプライベート空間」で支援を行っていく衝撃と魅力に心を打たれたのを覚えています。そして、同時期にたまふれあいグループと出合いました。

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具体的な仕事内容は?

グループ全体の新規ご相談受付から利用開始までのマネジメント、退院前カンファレンス・サービス担当者会議の参加、診療スケジュール作成、病院受診調整、地域のネットワーク作り等…細かいものまで挙げ始めるとキリがありませんが、状況に応じてさまざまなスキルが求められるので、とてもやりがいがあります。時には、患者様・ご家族様から「ちょっと今後について話がしたいんだけど…」というご依頼を受けて、駆け付けることもあります。相談員として、日頃から他のどの職種にも負けないフットワークの良さを持ち、迅速かつ丁寧に一つ一つのケースに関わることを心がけています。

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取得した資格、努力したことは?

取得した資格は、社会福祉士と保育士です。元々、家庭支援に興味があったため、この二つを学ぶことができる大学に進学しました。たまふれあいグループで相談員をしていると、乳幼児からご高齢の方までたくさんの出会いがあります。そのため、これらの資格が知識としてだけではなく、患者様・ご家族様とお近付きになる「会話のきっかけ」にもなっています。また、努力したことは、日々「私はどのような相談員になりたいか」を自分自身に問い続けることでした。これは「相手を知るためには、まずは受け取り手である自分を知る」ということを怠らない相談員であるために、現在も意識し続けています。

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在宅医療への思いは?

「在宅にもこんなに頑張っている方々がいるんだ」「在宅でもこんなことまでできるんだ」これらの発見が私を今の道に導きました。私は在宅医療において、できることとできないことをきちんと整理した上で、患者様・ご家族様の意向を尊重しつつ、一緒に最善の選択を考えられる相談員でありたいと思っています。そしてそのためには、地域の皆様のお力も不可欠です。相談員として特に「連携」に注力しながら、地域の方にお気軽に相談していただけるグループを目指し、「在宅だからこそできる支援」の可能性を広げていきたいです。

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MESSAGE

新入社員へのメッセージ

私はたまふれあいグループで初の新卒採用だったため、入職前は「どういうプロセスで新人教育が行われるのか」「果たして私はやっていけるのか」という不安がありました。しかし、まず各事業所の見学や訪問の同行から始まったことで、現場の空気や流れを丁寧に知ることができたため、すぐにその不安は楽しさに変わりました。また、多職種連携が活発で、気軽に意見交換ができる環境であることも安心感に繋がりました。何より、たまふれあいグループの相談員になる魅力は、医療福祉の分野はもちろん高齢者・障害者・児童・地域等の複数の分野について学べることだと思います。一緒にスキルアップを目指しながら、地域を盛り上げていきましょう。

スタッフ一同、
ご応募お待ちしております。

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