INTERVIEW

ふれあいから生まれる
慈しみ

看護師

大内 こゆき

診療看護師として働き、一年半が経ちます。いろいろなご家族様との関わりの中でご家族様の思いや不安に寄り添うという意味が分かってきたように思います。

先日、ご自宅でのお看取りに同行し、娘様から「母が食べられないのを見ているのは本当に苦しかった、でも先生がお母様は苦しいわけじゃないと言ってくださり、看護師さんが訪問してくださることで安心感があって、今日を迎えることができました。すごく穏やかで不思議な感情です。寄り添ってもらったおかげで、母を看取ることができました」とおっしゃっていただき、在宅に関わる医療者が連携を取り、支えることで、看取りの感情はこんなに変わっていくのだと実感できる場面に立ち会うことができました。

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現職に就いた理由・動機は?

21歳で看護師の仕事をはじめ27年間ずっと病棟での勤務を行ってきました。病棟での仕事のやりがいは体調の悪い患者さんが元気になることや、生活面の問題を改善し、行動変容が見られること。看護や指導を一生懸命行ってきました。ここ数年は患者様の高齢化は顕著で、認知症やADLの低下の問題も大きく、入院治療の影響で、体力が落ち、自宅生活が困難となる方、不穏、せん妄が出現し認知機能が低下される方も多く見受けられました。自分は本当に患者様のために看護ができているのか悩みもあり、在宅医療の現場を見てみたい、退院された方々のその後の生活を見てみたいとの思いが強くなり、現在は訪問診療の看護師として働いています。

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具体的な仕事内容は?

訪問診療の医師と同行し、患者様のご自宅やグループホーム、老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などの施設を訪問しています。バイタルサインを測定し、患者様の処方箋や医療上必要な物品を準備し、診察の援助、処方箋の確認を行います。胃管や胃ろうの交換などの処置の援助時や採血、心電図検査なども実施します。患者様の生活の様子やご家族様の状況など伺って問題があれば、訪問看護ステーションやケアマネジャーと連絡を取り合い、情報共有し環境調整にあたります。

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訪問時、判断に困ったときは?

現在診療看護師は5名います。リーダー看護師の佐藤さんは開院当初からのメンバーで、知識、経験共にもっとも頼りになる先輩看護師です。判断に困ったときはいつも力になってくれます。診療の合間や移動中などで、医師とともに患者様について話し合い、相談できる頼もしい先生たちがいてくれます。また、朝の打ち合わせでは看護師、事務、相談員で、迷ったこと、どうしてよいか困った事例など話し合い、検討できる風土があります。一人で抱え込んだり、悩むということは本当にない職場だと思います。

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在宅医療への思いは?

在宅医療は通院困難な患者様が選択する医療を受ける方法の一つ。病院での診療とは比較にならないほど、患者様の様子や思いを聞き、ご家族様の思いを聞き、いかに安心して、安楽に過ごせるかをその人、その人にあわせて考える。内服薬の処方の仕方や服薬の工夫、社会資源の活用まで医師は考えながら診察されています。その診療の場でいかに看護の視点で関わり、在宅医療の一端を担えるか、限られた診療の時間で、患者様、ご家族様がきちんと話せるような関わりが必要だと思っています。末期がんの患者様、高齢で徐々に衰たり、認知症が進行していく患者様と、決して完全に回復される方はいらっしゃいません。医師とともに患者様に寄り添った医療を目指していきたいです。

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MESSAGE

新入社員へのメッセージ

私もまだ訪問診療の看護師としては1年半の経歴しかありません。今訪問診療に携わって感じるのは、それぞれの患者様にそれぞれの歴史があり、生活の場があり、思いがあると思います。疾患や検査値、投薬内容などもすごく大事ですが、その人がその人らしく生きていく、そのために自分が診療看護師の立場でできることって何だろうと日々考えながら働いています。まだ答えはでないし、答えはないとも思います。その日その日の診療を大切に丁寧に関わっていけば、訪問診療はすごくやりがいのある仕事になっていくと思います。一緒に頑張りましょう。

スタッフ一同、
ご応募お待ちしております。

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